フェデリコ・フェデリチのらくがきちょう

いくら落書にはげんでみたところで、余白を埋めつくしたり出来っこない。──安部公房『箱男』

論文を読みたい

論文を読むのは大切と思って論文読んでる。

でも論文を読んでも今一つピンと来ない。当然、その分野のことをよく分かっていないからという問題が一番大きいのだろうけれど、それでも論文を読むからには、くっきりとしたものを得たい。

 

そのために必要なことは何か。今思いつくのは、ある目的意識を持って読みたい論文を集めて、相互比較を通じてそれぞれの特徴を浮き彫りにしていく読み方なのだろうと思う。「この論文ではこのように書いていて、あの論文ではあのように書いていて……」ということをまとめる。場合によっては同じ著者の別の論文を読んで、論文ごとの違いがどこから来ているのかということを検討する。

こういう論文の読み方って、自分自身が論文を書くときに必要な先行研究のまとめ方に似ているのだろうなと思う。僕はちゃんとした研究をしてこなかったのでよく分からないけれども、ちゃんとしている人から見たら、何を今さらという話をしているのかもしれない。

 

しかし、「目的意識」という病にも似た何かを持たなければならない……。「私はこれこれのためにこの論文を読む」と言わなければならない……。

 

ときに病が必要なこともあるのだろう。

病めるときも、私は私を愛す。